◇ つまみ鍋 ◇



 鍋に入れる具材を紹介したところで、早速鍋の製作に取りかかることにしよう。

スープ投入中
 まず、鍋を作る上で必要不可欠なスープを投入することにしよう。せっかくのつまみなのだから、ビールで煮込むのが最も理想的だ、というのは前回話したはず。麦茶でも悪くはないのだけど、ビール酵母健康法とかそういうものがあって、ビールでご飯を炊いたり煮物に隠し味として加えたり……。実はビールは結構いいらしい。
 しかし、ビールがたとえ美味しくても不味そうな鍋に入れられちゃ、という気持ちで一杯。昔の諺に「きれいな水に汚水を入れると汚水になる。汚水にきれいな水を入れても汚水になる」というのを何となく思い出してしまったり。
 まぁ、今回は諸事情により麦茶だが、味の面でビールとそう変わらないと予想する。ビールはアルコールが抜ければ苦い麦茶になるはずだからそんなに変わらない筈。でも、烏龍茶や緑茶だとイメージ的に違ウ気がしてならないので麦茶にこだわったんだが。
 今回の具材は数が多いこともあって、各個人で何からぶちこもうとそれぞれ思案している様子。当然今回の具材にも戦犯と呼べるであろう、鍋の具として不適当なものがいつ投入されるか。それによって鍋と、それに我々の運命は変わってくる。
 そんな重要な順番をじゃんけんで決定。投入順はあかり姉さん、みょ〜さん、おいらの順に決定した。

煮えてまつ
 投入する具材は11。しかし、最初に昆布で出汁を取るのは通例化しているので、残り10のつまみを順番に投入してゆくことにした。
 さきいか、たら薫製、サラミ、いか串……と、次々に投入されてゆく。
 いか串焼を投入したとき、串ごと投入したことにブーイングが起きたが、実際の鍋でもこういうことはあるので気にしないことにする。
 もし、鉄製の串だった場合は話は違うけども。

 今回、最も危険だと予想されるつまみはチーズかまぼこ柿の種
 チーカマはチーズが溶け出すという危険性が、柿の種はどろどろに溶けてしまうという危険性をはらんでいる。
 あと、酒のつまみとして異論があったツナピック。アルミホイルに包まれている干しツナなんだけど、これもどろどろに溶ける可能性が大きい。

 掲示板での事前アンケートでも、上記のような意見が多く、我々も今までの経験上危険と察し、ヤバそうな具材ほど後回しにされる傾向が見られた。
 みんな、学習してるなぁ(笑)
味付け追加。
 とりあえず、1つ具材が入ってしまえばあとはドミノ倒しの要領でどんどん投入されてゆく。
 投入中につまみをつまみ食いするみょ〜さん。スポーツドリンクも用意して、食う気満々の割には実は全員食後のデザートにこんな鍋を食べようとしているからタチが悪い。本音を言ってしまえば、「どうせ不味いのだから」という諦念が3人の奥底にある、という現れでもある。
 さすが飽食日本と言うべきか。
 捨てる準備がすぐできているというのが全く持って問題であろう。

 なぜか最後まで残ったいかの薫製を乗せ、鍋の煮込みを開始した。
 再び蓋を開けたとき、我々の目前にはどんな光景が広がるのだろう。
 そんな気持ちを抑えつつ、しばらくつまみを食しつつ待つことにした。

 続きは次のページにて。


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