◇ プリンシェイクの謎 ◇



 ◇ プリンシェイクの中身は…… ◇
プリンシェイク、登場
 ポッカコーポレーションから発売されている、「プリンシェイク」という飲み物。
 その奇抜な商品名やコンセプトや外見から、よく不味いジュースだとかゲテジュースなどとして扱われることが多い。
 しかし、市場に対するインパクトは絶大で、98年の発売以降、同じくポッカの「アップルゼリー」、「いちごシェイク」、JTの「夏みかんゼリー」や「泡立つカフェオレ」など、振って飲むドリンクというジャンルの走りにもなった。
 今回はそんな歴史あるプリンシェイクを取り上げたいと思う。


 まず、「プリンシェイク」とは何か。
 缶の中にプリンの固まりが入っていて、「5回振ればプリンの味わいが、10回振ればクリーミィなシェイクが楽しめる」ということだ。
 プリンシェイクを購入した人は大概、振らずに開けて出てこないということを体験しただろう。
 では、プリンシェイクの缶を缶切りで開ければプリンが食べられるのではないか。
 早速実験してみることにした。

缶切りで開けてみた
 では早速、近くのポッカの自販機で仕入れてきたプリンシェイクを家まで揺れないように大切に持ち帰る。
 プリンシェイクを置いている自販機は、意外と少ないのが現状だ。
 そもそも、自販機の主流というとコカコーラか、「ペプシコーラ」「BOSS」などを擁するサントリーではないだろうか。
 続いて「ワンダ」や「三ツ矢サイダー」のアサヒ飲料、「アミノサプリ」「キリンレモン」のキリン、「ポカリスウェット」「オロナミンC」の大塚製薬あたりではないだろうか。ダイドーJT伊藤園ネスカフェカルピスヤクルトあたりになってくるとちょっと厳しくなってくる。また、JR東日本と提携している大清水は街中ではほぼ皆無に等しい。
 ポッカコーポレーションの自動販売機も、どちらかと言うとマイナーに位置することに加え、1つの自販機で売られている商品はせいぜい10〜30商品。ポッカの場合は5〜15商品ということが多く、ファーストドリップ(コーヒー)を数種類と今流行のアミノ酸飲料とお茶でおしまい、ということはよくある。
 そのため、ポッカの自販機を探すのも難しいのだが、さらにその自販機でプリンシェイクが売られているかとなるとさらに難しくなってくる。
 これが、「プリンシェイクは滅多に売られていない」と言われる所以なのだろう。

 早速缶切りで開けてみると、特にこぼれることもなく、簡単に開けることができた。
 これを、別の容器に移し替えてみた。すると……

カップで見てみると……
 移されたプリンシェイク。
 思っていたよりも粉々であった。

 自販機で購入した際に既に1〜2度振られているような気はするが、それは避けては通れないため仕方ないとしよう。でも、それを差し引いてもあまりに砕けすぎではないか??と思いたくなる。

 ちょっとここで推理してみよう。
 プリンシェイクは1度も振らない状態だと、中身が出て来ないと言われている。
 でも、開けた中身はどろどろだった。たまに大きめの欠片があるだけだ。
 運搬時、そして自販機にセットされる際に揺られたり振動を受けたりして砕けてゆくのかもしれない。

 しかし、思う点がある。
 自販機に入れられる状況は多少の環境の違いもあるとしても、どこも同じぐらい振動を受けているのではないかと思われる。
 自販機にジュースをセットするところを何度か見たことがあるが、決して丁寧に入れているとは言い難い。効率重視だ。
 となると、他の缶も同様に粉々なのではないか。
 確かめてみると、他の缶も内容は大差なく、やはり粉々に砕けていた。

 では、どうして詰まるのか……。
 実際に、振らずに缶から出してみることにした。


詰まった
 では、缶を普通に開けてそのままカップに流し込んでみた。
 すると……プリンシェイクが缶から出てこないではないか。
 見た感じ、ものすごく出てきそうなのだが出てくることはない。仕方がないので軽く振ったら、ちょっとづつ流れ出した。

 つまり、今回の実験でわかったことがあった。
 缶で全く振らないと詰まるのは、粉々になった欠片でも、まだ缶の口から出られないから詰まるからだったのだ!!!


 となると、缶に詰められた時点では完全に固まっているか、ある程度崩れた状態で詰められているかのどちらかではないだろうか。
 また、プリンシェイクの欠片を食べてみると判ったことだが、普通のプリンよりもかなり柔らかい。これは缶を振ったときに崩れやすくなる為なのだろうか。
 そのため、普通のプリンとして食べるのにはちょっと柔らかいと感じるかもしれない。また、もしカップに綺麗に開けたとしても、自重で潰れる可能性は極めて大きい。

 以上の理由から、プリンシェイクの中のプリンはある程度崩れているものと結論づけることができる。

 だいたいの場合、5回ぐらい振ることで欠片が崩れ、缶の口から出てくるようになり、10回振ればちょっと粘りけのあるシェイク状になる。
 もちろんそれ以上振ることでとろ味のあるジュースに近づけることも可能ではある。

 プリンシェイクとは、意外に計算された商品なのだろう。
 まだ販売停止はされていないので、あなたの街にも、気づかずにひっそりと売られているかもしれない。


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