◇ 朝と昼と夜と真夜中と ◇
全国にはいろいろなお土産があるが、全国区の知名度を誇るお土産も数多く存在する。
京都だと「生八つ橋」、東京だと「ひよこ」、北海道だと「白い恋人」、広島だと「もみじまんじゅう」……。
それらに並ぶ名物土産の1つと言っても過言でもないだろう、浜名湖名産・うなぎパイ。
そんなうなぎパイを食べていると、あることに気が付いた。
◇ 今回の被験者 ◇
・船木屋 (女子高生とか、好きだからー)
・あかり姉さん (リミッター解除)
◇ 実験開始 ◇

うなぎパイを知らない人はあまりいないかと思うのだけど、念のため説明を。
浜名湖名産の、よく土産物屋に並んでいるパイ菓子である。
浜松、という愛知と静岡の境目に近い場所のためか、浜松だけならまだしも、豊橋、静岡、名古屋の駅や高速道路のサービスエリアでも売られている。
そしてなぜか東京駅や羽田空港でも売っているのを見かけることがある。
パイ菓子としては異様なぐらい横長だったり、浜名湖名産のウナギの粉などを練り込んでいることから、うなぎパイと命名された。
うなぎパイ、と言うと有名なのは「夜のお菓子」というキャッチフレーズ。
これは春華堂二代目社長の考案で「一家だんらんのひとときを『うなぎパイ』で過ごしてほしい。」という願いを込めてネーミングしたものらしい。
ただ、「夜のお菓子」というネーミングのせいで、勢力増強のうなぎと結び付けていやらしい解釈をされるようになってしまったワケだという。
その割には「夜のお菓子」を全面に出しまくってる気がするのはいかがなものかと。
メーカー側も「知名度があるのだから」とある意味開き直っているのかもしれない。
袋の裏面をじっくり見てみると、こんな事が書かれていた。

「フレッシュバターを豊富に入れたパイに、うなぎの粉、夜の調味料ガーリックを配合し、日本茶にも、コーヒーにも、紅茶にも合い、あなたの暮らしに微笑みのひとときを与えるお菓子です」
夜の調味料ガーリックってなんだよ!!!!
この一文を見てやっぱり意図的に狙っているとしか思えないのは私だけだろうか。
さて、うなぎパイが夜のお菓子ならば、朝も昼もあるんだと思った事はないだろうか。
うなぎパイの製造元、春華堂を調べてみると……
あった。
朝のお菓子『すっぽんの郷』、昼のお菓子『えび汐パイ』、そして夜のお菓子『うなぎパイ』。
「朝、疲れが抜けない時等、お出かけ前にお召し上がり頂くと気分も爽快になります。」という『すっぽんの郷』。
「駿河湾特産の桜えびをふんだんに使ったパイです。お昼のティータイムなど、カルシウム補給にお召し上がり頂けたら」という『えび汐パイ』。
それに加えてもう一つ、お菓子が存在していた。

真夜中のお菓子。
その名も「うなぎパイV.S.O.P.」。
たった5枚で750円という、無駄に高級感あふれるこのうなぎパイ。
ブランデーの豊潤な香りと、ナッツ風味を包み込み、「うなぎパイ」の頂点を究めた最高級パイだということだが、どんなものだろうか。
早速開けてみた。

箱も金、袋も金という、無駄に高級感を煽るこのうなぎパイ。
通常のうなぎパイに比べてもえらく大きく、そしてブランデーの香りがぷんぷんしている。
製造工程上焼いているので、ブランデーの香りがしてもアルコール分は飛んでいるのでお子様でも大丈夫とのこと。
実際に食べてみた。
ナッツの味と、ブランデーの香りがうなぎパイに加わって、より味に深みとコクが出ていてこれは美味しい。
ただ、うなぎパイの大きさがネックになっているような気がしないでもない。
食べるにも大きいので食べづらかったり、途中でどうしても飽きてくる。1枚目で満足して2枚目に連続して食べたいという気が起こらないのだ。
そういう意味では5枚、という枚数は妥当なのかも知れない。
東海地方の土産物屋に、ひっそりと売られているので確認してみるのも良いかもしれない。
もしくは、「うなぎパイ詰め合わせ・フルタイム」の5000円セットにも付いてくるので、それで朝、昼、夜、そして真夜中のお菓子を堪能するのも良いかもしれない。
あ、そうそう。言い忘れたけどうなぎパイって予想以上に賞味期限が短いから気を付けてね。マジで。

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