竜飛海底駅についていろいろと語りたいですが、冒頭で語りつくしちゃいます。
とにかくすごかったです!!


竜飛海底駅ホーム。

…ちょっと落ち着いたところで、竜飛海底駅の話題に戻ります。
11:49。特急白鳥18号が竜飛海底駅に到着しました。
ドアが開くのは2号車だけで、車掌が非常コックを使用して手でドアを開けます。
「竜飛海底駅見学券」の確認があったあと、そのまま下車を薦められました。


竜飛海底駅ホームと避難路をつなぐ通路。

竜飛海底駅に着くとすぐに人数確認が行われました。
今回下車したのは11人。観光ツアーの団体と、鉄道ファンと思われる方が数名(おいら含む)でした。
もろもろの確認が終わったところで、特急白鳥はおいら達を置いて出発してしまいました。
ホームに下りるとひんやりしているものの、トンネル特有のじめっとした感じは意外にもそんなに感じませんでした。


竜飛海底駅避難路。

最初にホームと平行している、避難用の連絡誘導路に案内されました。
そこで荷物を保管し、身軽な状態で竜飛海底駅内を散策することになります。
早速電車や駅舎の撮影をしたいけれども、まずはスタッフの説明を聞きます。

青函トンネルは全長は53.85km、そのうち23.30kmは海底部分を貫いています。
最も深いところで海面下約200mにも達するそうです。
今回訪れたのは、海面下約140mのところに位置する竜飛海底駅。
なぜこんなところに駅が必要なのかというと…
ここ竜飛海底駅は1972年に発生した北陸トンネル内での火災事故を教訓として、青函トンネル内の青森県側の緊急避難所およびトンネル保線などを目的とした駅であって、もともと一般用の駅ではありません。
この見学会は万が一青函トンネル内で事故があった場合はどのように避難、対応を行うのかということを見学、体験してもらうことを目的とした「竜飛海底駅見学」なのだそう。
ある意味「大人の社会見学」とも言えそうです。

竜飛海底駅内は危険であること、地上への脱出手段はあるものの普段は施錠していることなどから、案内役のスタッフの方、警備の方の2名に挟まれながらの行動となります。
青函トンネル内には本坑(線路が走っているトンネル)の他、さまざまな誘導路、坑などがあり、見学コースと異なる箇所への立ち入りは制限がされます。
またトンネルのいたるところに監視カメラが設置されていて、いざという時には対応できるようになっているそうです。


竜飛海底駅本坑。

簡単な説明が終わり、早速移動します。
まずは先ほどあまり見れなかった竜飛海底駅のホームから。
竜飛海底駅のホームは非常に細く、各号車のドア部分に直結して誘導路を垂直に掘っていることが特徴的です。


竜飛海底駅本坑。

また、2015年の北海道新幹線開業を目指して、現在工事を進めています。
この白い部品を設置して、その上に新幹線用のレールを乗せてゆきます。
具体的には在来線の線路の外側に新幹線の線路を設置し、三線軌条化を進めているそうですが、青函トンネルは線路保守の軽減化や温度のよる線路の膨張・伸縮への対策、騒音防止等のためつなぎ目をなくしたレールを施設しています。
そのため、特急電車や貨物電車が多数往来する現状では工事車両を入れられる時間が少なく、工期が掛かっているのだそうです。
竜飛海底駅のホームからでも、すでに三線軌条化工事途中の様子が見てとれました。


竜飛海底駅の駅名標。

連絡誘導路の途中には、竜飛海底駅の駅名標がありました。
これは…写真に撮らないといけないでしょう。
ちなみにホームにも竜飛海底駅の駅名標がありますが、現在は電灯で照らしていないので暗くて見えないのだそうです。


竜飛海底駅避難路分岐点。

ある程度進むと上下線の分かれ道があります。
左側にある、下に向かう道がおいら達が降りた青森方面ホームへ、右側の道が函館方面ホームに接続しています。
ちなみに青森方面ホームの通路だと、途中青函トンネルのレール下を通ります。
と言ってもレールが見えるワケではなく、天井が丸いトンネルではなく水平になっているだけですが、レールの下に立てる、と思うとわくわくするものです。


青函トンネルの排水ポンプ。

途中、いろいろな施設を通過します。
青函トンネルは単なる鉄道トンネルではなく、北海道と本州を結ぶ電話、インターネット等ネットワークの大動脈でもあります。
日本テレコム(現ソフトバンクテレコム)が光ファイバーケーブルを敷設しており、そのケーブルが青函トンネル内には複数本通っており、たとえ1本が切断されたとしてもカバーできるようになっているそうです。
他にも、青函トンネルを維持する上で必要不可欠な排水ポンプ施設がありましたが、さすがにここは見学不可のようです。


青函トンネル竜飛海底駅避難所。

さらに進むと「避難所」と呼ばれるスペースがありました。
ここには約1,000人程度を収容できる避難スペースがあり、ベンチやトイレ等があります。
他にも津軽海峡に関する情報が表示できる機械や水槽などがありましたが、現在は使われておらず朽ち果てていました。

青函トンネル内でなにか事故等があった場合、この「避難所」にいったん乗客をここに避難させ、待機させます。
ただ、こちらには飲料水や食料などがないので、あくまで一時的な避難場所になります。
通常の場合は救援用の車両が到着し、再びホームに戻ることになりますが、今回はもしも青函トンネル自体が使用できなくなった場合に使用される施設にも案内してらえることになりました。
たぶん竜飛海底駅から避難所まで1km近く歩いているのですが、そんな疲れも気にならないぐらい、いろいろと見るところが多いです。

まだまだ面白いところがありますが…続きます!

◆津軽海峡初夏景色
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