夏コミCG集のマスターアップが終わったので、今日は1日夏休みに宛てていました。
すると、ちょうどいつもコミケでお世話になっている友人から「特撮博物館に行かないか?」と誘われたので早速行ってきました。
北千住駅で待ち合わせて、清澄白河駅に向かいます。


館長庵野秀明 特撮博物館 ミニチュアで見る昭和平成の技。

会場は東京都現代美術館。
現代美術専門の美術館で、スタジオジブリとの共催で展覧会を行っていたことも何度もあります。
今年夏の企画展は「館長庵野秀明 特撮博物館 ミニチュアで見る昭和平成の技」と題し、「新世紀エヴァンゲリオン」で一躍知られるようになった庵野秀明氏による特撮技術に関する展覧会です。

正直、特撮と聞いて浮かべるのはウルトラマンとかゴジラとか。
しかもどちらもじっくり見ているワケでもないし、そもそも「新世紀エヴァンゲリオン」すら全く見ていないので庵野秀明氏がどうしてすごいのかさっぱりわかりません。
せいぜい知っている知識は「宇宙家族カールビンソン」の影響で「昭慶爆発」とかそういうキーワードを知っているくらいの特撮ド素人のおいらなので正直言っても楽しめないのではないか…
そう思っていました。


入場券は1,400円。

館内に入ってみると、まず「轟天号」が展示されていました。
特撮映画「海底軍艦」の撮影の際実際に使われたものを修復して展示しているとかでとにかく貴重なものとか。
その他ゴジラやウルトラマンなど、燦々たる映画で使われた乗り物やヒーロー、銃などがたくさん展示されていました。

唖然すげぇ…でもさっぱりわからない…

これはこれですごいものが並んでいるのはわかるのですが、見たことがない映画が大半なので殆ど伝わりません。
ぱっと見てわかるのは小松崎茂氏の特撮イラストの生原稿の数々。
これはプラモデルのイラストだったとかそういうことを知らなくても十分に楽しめます。

しかし、この展示会を行うにあたって、並大抵ではない苦労があったということは容易に推測できます。
なぜなら、展示物の半数以上が「個人蔵」「作家蔵」になっていること。
つまるところ映画撮影が終わった後、貴重な資料が関係者やオークションなどでばらばらになり、そして要らないものはどんどん処分される。
その現実があったからこそ、庵野秀明氏が危機感を持ってこの展覧会を行ったことも理解できます。


特撮の貴重な展示物の後にあるスペースでは庵野秀明館長、樋口真嗣副館長による短編動画「巨神兵東京に現わる」が放映されていました。
巨神兵とは「風の谷のナウシカ」に登場するあの巨神兵。
このアニメの作画担当を若き頃の庵野秀明氏が担当していたことから、今回の短編撮影に繋がったそうです。

約10分の短編で、東京に突如現れた複数の巨神兵によって東京が壊滅してゆく…
そんな映像です。
ナレーションは林原めぐみさん、そして巨神兵がただ暴れ回るだけの短編動画なので正直庵野秀明館長の自己満足の作品かと思っていました。

しかし、この展覧会のすごいところはここからでした。

館内で配られているペラが面白い。

なんと、この短編動画を撮影するにあたり、どこでどのような特撮を使って撮影していたのかを隠すことなく1つ1つ説明しています。
例えばビルが崩れるシーンにもいくつものパターンがあり、それぞれ石膏爆発だったり吊り糸で吊したものを動かしたり、風で吹き飛ばしたり仕掛けを使って倒したり…
このシーンはこうやった、このシーンはこうやったと1つ1つ教えてくれます。

ただ眺めていただけの10分間の動画では、CGを極力使うことなく昭和から平成にかけて培ってきた日本の特撮技術のあれこれをふんだんに使用して東京が破壊される様を描く。
それを伝えるいい展覧会になっていました。
その知識の下地があってこそ冒頭の精密に作られた轟天号やウルトラマンの凄さに気づくのですが、動画を見てメイキングを見て初めてそれに気づく。
なんとも素晴らしい展示です。


撮影用ジオラマで撮影できる!

館内は基本的に撮影禁止ですが、唯一撮影可能だったのはジオラマコーナーです。
ここのすごいところは無造作に置かれたジオラマを使って、自分のカメラで味わいのある写真を撮ろう、というコーナーです。

ぱっと見た感じ道路があり民家があり崩れた部分があり、壁紙の空があり…
撮るべき場所はいろいろとあります。
でもその一部分を上手く切り取って、映画のワンシーンに仕立て上げる。
それがこのコーナーの趣旨になっています。


たしかにそれっぽい。

おいらも撮ってみましたがなかなか難しい。
上から撮影すると俯瞰的に、じゃあ目線を人目線にしたらどうか、ピントをどこに合わせるか…
意外と考えることは多いです。


なかなか難しい。

いろんなバリエーションで撮影してみましたが、思うのはこの日は金曜日にも関わらず人が多かったこと…
土日だったら間違いなく満足に写真すら撮れないでしょう。
でも逆に他の観光客を使って「巨大日本人東京に現る」とかそんなテーマを作って撮影するのもありかもしれません。

唖然でもねんどろいどとか持ってきてる人はどうかと思うけどな…


記念メダル…だと…。

土産物も今回の展覧会のカタログをはじめいろんな土産物がありました。
目玉の巨神兵フィギュアは価格が48,000円にもかかわらず既に完売で、購入できるのは10月以降の予約販売のみとのこと。
本当、恐ろしい世界です。
それ以外にも手軽に購入できる価格のフィギュアもあり、たくさんの人が購入していました。

おいらはこの展覧会の肝になっている短編映画とメイキングのDVDが欲しいと思ったけれどまだ映像の流出があっては困るのか売られておらず…
個人的に気になった巨神兵メダルに注目していました。


正直初心者でどこまで楽しめるかわからなかった特撮博物館。
まさか予想以上に楽しめるとは! 個人的にとても良かったです。



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