前々から気になっていた展示会「デザインの解剖展」。
いろんな商品を解剖して展示しているという…
気になったので時間を作って出かけてきました。


デザインの解剖展。

六本木にある東京ミッドタウンで行われている「デザインの解剖展」。
前評判は良さげなので個人的にすごく気になっている展示会です。
一般に売られている商品を題材に、デザインの視点から分解・解剖を行い新たな面を発見する…
というコンセプトで、武蔵野美術大学、明治、電通が主となって行っているデザイン展です。

そのため、展示会で展示されているのはほぼ全てが明治の商品。
明治としてもいい宣伝になっているのでしょう。
入場料が必要ですが、内部は全て撮影可能になっているデザイン展です。
早速入ってみました。


デザインの解剖とは。

中に入るとまず「デザインの解剖とは」というコンセプトの説明がありました。
章立てがあって難しそうに見えますが「身近なものをデザインの視点で外側から内側に向かって細かく分析することで、ものを通して世界を見るプロジェクト」と実に簡潔。
身近になった商品を当たり前に思うのではなく、ちょっと違った角度から見ると新しい発見があるよ…ということです。
まず最初の展示室に入ってみました。


きのこの山!

最初の展示室は明治の人気商品「きのこの山」をテーマにした展示になっています。
巨大なきのこの山の模型がお出迎えです。
いつもの大きさのきのこの山を忘れてしまうような大きなのものですが、いろんな視点で分解を行っています。

まずはきのこの山のネーミング。
名前の由来、ロゴの変遷、パッケージのコンセプト、パッケージの変遷、注意書き、内袋…とデザインの話だけでなく、コピーライティングやDTPの話にも派生しているので、単なるデザインの展示ではなく、どちらかというと広告デザインの展示会という感じです。
なので純粋にデザイン展を期待していた人にはつまらないかもしれないですが、広告業界や印刷業界、メーカー(商品開発担当)の人が見ると楽しく見えるのでは…と思える内容です。


いろんなきのこできのこの山。

デザインだけでなく商品開発の裏話的なコンテンツもありました。
「きのこの山」のきのこは架空のきのこですが、例えばしめじ形のきのこの山だったら、しめじだったら、エリンギだったら、しいたけだったら…と試行錯誤した結果、現在の形に落ち着いた例や、きのこの山のチョコレートとビスケットの色のバランスについての考察など、商品の細かな部分のデザインについても触れられています。
さらに原材料のバランスなど、栄養学に関する考察も。
とにかくいろんな角度から切り込んでいます。


リアルきのこの山。

もちろんそれだけだと面白くはない…ということで、緩急つけるべくリアル「きのこの山」の模型など遊び心のある展示もあります。
「きのこの山」のパッケージに描かれている山を立体化したらこうなる…と無駄に凝ったりと面白い内容です。
思わずカールおじさんが出てくるのか身構えてしまいましたが、カールおじさんは明治ではないので杞憂でした。


きのこの山模型。

いろいろと細かく「きのこの山」についての解説がありましたが、最後の巨大きのこの山を見たらもうみんな吹っ飛びます。

唖然大きいは正義なんだよ!

と思わず言いたくなる巨大さ。
館内写真撮影OKなのでみんな写真を撮っていました。


ブルガリアヨーグルトのパッケージ。

続いては明治ブルガリアヨーグルトのコーナー。
基本的にきのこの山でやったことを改めて行っているので、わりと応用問題という扱いです。
最初のきのこの山をしっかり見ておけば「ブルガリアヨーグルトも同じか」という視点で同じく分解して見ることができます。


明治エッセルスーパーカップの断面図。

3項目目は明治エッセルスーパーカップのコーナー。
紹介スペースはだいぶ少なくなり、さらに応用ということで簡潔になってゆきます。
3つも事例を見ればもう分解した目でいろいろと見れるでしょう、ということでしょうか。


明治おいしい牛乳つみき。

そして最後は明治「おいしい牛乳」です。
これも同様の展示…かと思ったら違います。
なんでしょうこの積み木は…


いろいろ作りました。

実はこちらのコーナー、自分の好きな文字を組み合わせて「明治おいしい牛乳」を作ることができるコーナーです。
一応各文字が2個づつ、濁点や半濁点のありなしなどの差分がむきによって違うものもあり、好きな文字を組み合わせることで楽しめる積み木コーナーになっています。

当然ながらいろんな文字を組み合わせることができるので、無難に「ふなきや牛乳」を作ってみて、さらに「ぶるま牛乳」「うまあじ牛乳」など遊びでいろいろと作ってみたり。
他の人が付きっているのを見ると、やはり名前をつけた牛乳で作っている人が多いのですが、中にはえっちな単語で作っているカップルも。

唖然リア充爆発しろ!!

と思いつつ他の人のも見ると「しゃちく牛乳」「ぱわはら牛乳」などの文字が…

唖然お、おう…

せめて明るい言葉を積み木にしたいです。

見るだけではなく遊べる、違った感じのデザイン展なので、わりとデザイン初心者にもやさしいもので個人的には満足。
面白いデザイン展でした。



※ 当サイトの各種サービスをその利用規約等で定める範囲内でご利用いただく場合や、著作権者の許諾なく著作物を利用することが法的に認められる場合を除き、無断で複製、公衆送信、翻案、配布等の利用をすることはできません。また、利用が認められる場合でも、著作者の意に反した変更、削除はできません。記事を要約して利用することも、原則として著作権者の許諾が必要です。
※ 当サイトの情報は執筆当時の情報を元にしているため、現在の内容とは異なる場合があります。