このサイトを始めて10年ぐらい経つのだけど、長く続けているとサイトがマスコミの目にも留まるようで「ラジオ出演」「テレビ出演」みたいな話も時折舞い込んできたりします。
こんなサイトでもこれまでに4回、最近も出演依頼をいただきまして、出演依頼はとても嬉しいのですがどうしても引っかかるところがありました。
それは、次の3つのことでした。


■1.テレビは何故ブログを紹介するのか
まず気になるのは、「なぜこのサイトを紹介したいのか」という点です。
これまでこのサイトを「紹介したい」「取材したい」と言ってくれた奇特なメディアは、主に地方ローカル局の情報番組内での紹介依頼がほぼ全てでした。
B級グルメだったり、鉄道だったり、同人活動だったり…
たしかに、このサイトではそういった内容を取り扱っていますが、いかんせんそれらが「主」のサイトではなく、あくまで趣味の一環として行っているものなので、紹介したのはいいが紹介しても見た人が失望してしまわないか…。そんなことをまず思ってしまいます。
もしかしたら、自分が気がつかないうちにその業界では最大手になっているのかもしれませんが、世の中そんなに甘くはないでしょう。
それでもこんなサイトにまで声を掛けるのには、何かしら理由でもあるのでしょうか。


■2.依頼の申し込みがかなり失礼なテレビマン
次にテレビからの出演依頼で気になる点が、出演依頼の方法です。

例1:
「管理者様にお願いがあります。○○テレビの××です。△△の理由でこのサイトを取り上げたいと思いますので至急下記メールまで返信願います。」等と掲示板に書く

前後の掲示板の流れを全く読まず、自分の意見だけを単刀直入に掲示板に書くというあたりがポイントです。
テレビ局名と書き込み者名をGoogleなどで検索すると、ぱらぱらとヒットします。
こういう書き込みは手当たり次第書き込んでいるのでしょうか、それともたまたま選んでくれているのでしょうか、少々不安になります。
でも、念のため書き込み元ホストを調べてみると、ちゃんとテレビ局からの書き込みなのが怖いです。

例2:
「管理者様にお願いがあります。○○テレビの××です。△△の理由でこのサイトを取り上げたいと思いますので至急下記メールまで返信願います。」等とブログのコメント欄に書く

基本的に例1と同じですが、ブログの記事に書くところがポイントです。
しかも、書き込む場所は最新エントリーの記事だったりすることが多く、例えば駅弁の取材依頼なのに肩こりのトピックスに書き込みがあるなど、微塵も空気を読んでくれません。

メールで取材依頼が来ることはスパムメール扱いを恐れているのか意外となく、大概が掲示板やブログへの直接書き込みでした。
また、連絡の返信先にメールアドレスが書かれている場合はまだ良いメディアで、中にはテレビ局の電話番号が書かれていることも。
それが北海道だったり九州だったりすることもありました。
なんというか、慇懃無礼どころか礼儀正しさすらないことが伝わってくる感じです。


■3.テレビは執拗にブログ管理者の「本名」を知りたがる
3つ目は、最も気になっていることで、取材の際に必ず「顔の露出」「本名」が必要となる点です。
NHK、民放問わず、ラジオやテレビ出演依頼の際に「サイト」や「ブログ」の紹介はもちろんのこと、他にハンドルネームではなくて「実際の顔」と「本名」も掲載したいという依頼が来ます。
テレビという媒体なので、顔の露出についてはまだ仕方ない部分はあります。
しかし、サイトやブログの紹介の際に、どうして本名の公開が必要なのでしょうか。

テレビに出演をするということは、自ら個人情報をさらけ出すという行為に等しいです。
昔のアナログビデオテープの時代と異なり、現在ではハードディスクレコーダーなどを使い、自由にテレビ放送が録画できます。
さらに、youtubeやニコニコ動画などインターネットの動画技術が発達した昨今では録画したテレビ放送をだれでも手軽にアップロードし共有することができます。
いくら個人情報保護、著作権保護の観点からテレビ局製作の動画を(違法動画などとレッテルを貼ったりして)削除したとしても、結局は一度公開してしまったデータは消すことができず、むしろクチコミで動画が再配布されてしまうことになってしまうでしょう。
そのような事態が容易に想像できてしまう世の中だと、いくらテレビでもなかなか実名での出演には抵抗があります。

確かに「アルファブロガー」と呼ばれるブログの世界では有名な人々のように、実際にブログのプロフィールに顔写真を載せ、本名を載せている方もいます。
でも、おいらのようにネット上ではハンドルネームを使い、一切顔写真も公開していない人にとってはこの条件はハードルが高くなります。
あるテーマのブログを紹介するのに、どうして本名や顔写真が必要になるのでしょうか。
もしかしたら有機野菜などの農作物に「私が作りました」と生産者の顔写真と本名があるだけで箔がつくような、それぐらいの認識でしょうか。(※1)

そういう考え方は日本人的発想なのか、マスコミ的発想なのかはわからないけれど、少なくともインターネット文化とはかけ離れているのでそもそもサイトの紹介から離れてしまうことになってしまいます。


■実名でブログを書き続ける度胸のある人でない限りはテレビに出るべきではない←結論

過去、実際にテレビ局の取材を受けたことがありました。
初めは低姿勢のテレビ局だけど、いざ出演者に決まったとたんに態度が一変。
予定された台本通りに動くことを要求されたり、発言が編集されることは当たり前。
知っていることが知らないことに、知らないことが知っていることになってしまいます。

また、出演に向けての打ち合わせは数回に及びますが、基本的にテレビ局側の都合に合わせることになります。
そこまでやったとしても、メディアにとっては出演者のサイトやブログなんてどうでもいいみたいで、最終的に今話題のなにかに触れている人に触れている人が必要であって、サイトの紹介などは結局されることもありませんでした。
出演した時から薄々わかってはいたけれども、ブログに「テレビに出演しました」以上のことを書きたくなくなる気持ちもわからないでもないですね。

以来、テレビ局の取材の依頼があった時は「本名」の露出を拒むことを条件に返答するようにしているのですが、それだとほぼ確実に出演の話はなくなります。
どうしても匿名でテレビに出るとしたら一芸を極めて芸名を定着させるか、「ジェイコム男」みたいに変なあだ名を付けてでも出演させたい人物になるぐらいの人物になる他ないでしょうか。
つまりはおいらはまだテレビ局にとって「どうしても出演させたい人」ではなく「テレビ局にとって都合のいい人」に見られていたのでしょうね。

テレビに出たがるのはよっぽどの馬鹿か、よっぽどの野心家か。
少なくとも実名でブログを書き続ける度胸のある人でない限りはテレビに出るべきではないでしょうね。


※1 デイリーポータルZ:「私が作りました」シールで生産者になる
http://portal.nifty.com/2007/06/12/c/


アダルト美少女ゲーム

※当サイトの各種サービスをその利用規約等で定める範囲内でご利用いただく場合や、著作権者の許諾なく著作物を利用することが法的に認められる場合を除き、無断で複製、公衆送信、翻案、配布等の利用をすることはできません。また、利用が認められる場合でも、著作者の意に反した変更、削除はできません。記事を要約して利用することも、原則として著作権者の許諾が必要です。