仕事中にふとグループウェアのニュースで「横綱朝青龍引退」の記事を見てびっくり。
思うところはいろいろとありますが、非常に残念なニュースでした。
本当、長い間お疲れ様でした。

今年の初場所で相撲を観戦していましたが、朝青龍の力は衰えて来たかもしれないけれど、技のキレは衰えておらず脂の乗った相撲を見せてくれました。
憎たらしいまでに強く、そして間違いなく「平成の大横綱」の彼が初場所で優勝した後、その力が衰える前に全然別のことで引退してしまうのは些か残念な部分があります。
とはいえ連日報道される「朝青龍問題」がワイドショーを賑わせていることを考えると、相撲を続けたくてもマスコミによってその道がどんどんと塞がれてゆく…精神的に追い詰められしまったということもあったのかもしれません。


2010年初場所の朝青龍。

かつて「江川、ピーマン、北の湖」と呼ばれた北の湖のように、とにかく憎らしい、ヒール的な面を一気に背負った横綱でもありました。もちろんそのせいで「品格の問題」と呼ばれることもあったしょうが、少なくとも外に見える人(テレビなどマスコミではないところ)にとってはヒールを演じていた部分も少なからずあったのではないかとも思ってしまいます。
しかしそのせいで「朝青龍は悪いやつだ」というイメージが定着してしまい、誰からもそのイメージがついて回るというデメリットもあったのでしょう。
大相撲の解説で時々聞かれる「実は朝青龍は小心者」とか「朝青龍は面倒見がいい」などの発言が本当だとしたら、今回の引退は相撲というものは好きだけれどもそれ以上にマスコミからのバッシングに耐えられなくなったという部分が大きいのかもしれません。


でも同時に朝青龍ほどの大横綱はもう生まれてこないと思うんじゃないかとも思っています。
特に日本人からは。
なぜなら、貴乃花時代から既にその兆候は出てきていたけれども「横綱になる価値」がそこまではなくなってきているのかも、と思わざるを得ません。
大関になり、さらに上の横綱になると「横綱の責任」という言葉が突然現れてきます。
その一挙一動が注目され、マスコミにはいろいろとすっぱ抜かれ…
朝青龍がいくら相撲では強いとしても、精神面ではかなり追い込まれていたのではないでしょうか。
そこで本田医師なり細木数子なりにカウンセリングを受けたりをしてなんとか持ちこたえてきたけれども、今回の事件でもはや限界を超えてしまったとしか思えません。
もちろん、朝青龍側にも隙が多かったということは否めませんが、相撲の世界ではなく部外者があれこれ言って引き摺り下ろす形になったのは残念でなりません。
貴乃花や若乃花もまたその交友関係でバッシングを受けたり、曙も然り…
相撲界でなくとも安倍・福田・麻生など最近の総理大臣も皆猛バッシングで辞職を余儀なくしています。
近年では唯一、武蔵丸が無難に乗り越えたような感じもしますが、現役時代は曙という大きな陰に隠れ横綱であっても地味で、また晩年は台頭してきた朝青龍や千代大海などの力士の影に隠れ、横綱というイメージがあまりありません。
「キジも鳴かずば撃たれまい」の日本的な文化を徹底したのかとも思えてきます。

当然「目立つ横綱」はバッシングされるのであれば、そんなものになりたくないと思っている人も出てくるはずです。
それが魁皇であり、千代大海だったのかもしれません。
横綱だと何度か優勝を逃したり、1度の負け越しをするだけで非常に叩かれ、それだけで引退を迫られます。
しかし大関であれば、1度負け越しをしても次場所勝ち越しさえすればその地位は安泰です。
そして横綱ほど風当たりは強くはないので、安心して相撲が取れるのでしょう。

そうなってくると、横綱になりたいのはごく一部の目立ちたがり屋か本当の強者か…
もしかしたら強者でも賢い者は早々に「力の抜きどころ」を考えてしまうでしょう。

待っているのは「トップには行きたがらない力士達」。
これからは間違いなく、白鵬のあら捜しが始まります。
間違いなくどうでもいいことでマスコミを賑わせ、朝青龍と同じようなことが起きるのではないかと思います。

相撲を続けるならぬくぬくと大関をやっていればいい。
さらに言うならそこまでして相撲をしたいものでもない…
日本人はマスコミによってさらに相撲離れを起こし、ひっそりと衰退してゆくのではないかと感じた事件でした。


本来ならば一代年寄を与えられて然るべきような輝かしい成績を持った朝青龍ですが、ここまで叩かれて「日本の相撲界に残りたい」とはさすがに思わないでしょうね…。


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