下水道の見学の後は、上の階に昇って、いろいろな展示物を見て行きます。


力士の手形なども展示。

まず、東京都下水道局蔵前ポンプ場が建つ前、この場所には「蔵前国技館」があったこともあって、大相撲に関する展示物が飾られていました。
手形の色紙や大相撲場所案内のポスター、あと有名力士の手形入り絵皿などが展示されていました。
相撲好きにもオススメですね。


マンホールも展示。

続いて、いろんな箇所のマンホールが展示されていました。
昔は東京都内のマンホールも、区ごとに違う規格で作られていたようですが、現在はデザインも規格もしっかりと統一されていました。
それらのマンホールの違いを見てみると、模様が違ったり、厚さが違ったりとなかなか面白いです。

また、最新型のマンホールには自動車のタイヤと同じようにスリップサインが導入されていて、すり減り度合いで定期的に交換したりしているのだとか。


臨時トイレも展示。

マンホールの蓋に穴が空いていて、そのまま下水道に直結して用を足すことが出来る簡易トイレです。
災害時にはこれを使うことがあるのだとか。

唖然こういう使い方もあるのか!

考えてみれば、水洗トイレでも結局同じ所にたどり着くわけですが、なんだか新鮮に感じてしまいました。


下水道を掘る時はシールド工法で。

続いて、下水道の掘り方について。
下水道を掘る際には、現在はシールド工法という方法を使って掘り進むそうです。
直径は約30cmほどで、結構コンパクトです。

シールド工法というと地下鉄やトンネル工事が真っ先に浮かびますが、それらを掘る為のマシンと比べるとはるかに小さかったので、「これって原寸なのですか?」とつい質問してしまいました。
……どうやら鉄道知識にだいぶ汚染されているようです。


SPR工法模型図。

こちらは「SPR工法模型図」というものです。
SPR工法というのは、古くなった下水管に特殊なシートを貼り付けてコーティングを行い、新品同様の下水管にするという技術です。
下水管そのものよりも摩擦係数が減る為、下水管の保護と下水を流しやすくするという利点もあるそうです。

先日、雑司ヶ谷で起こった事故はこのSPR工法の作業を行っていた時に起こったそうなのですが、事故についてこちらが聞いてもいないのに詳しく説明してくれたのにはびっくりしました。

唖然それってタブーじゃないのかな…

とか思っていたのですが、あえて話すのには、情報公開という側面もあるのだそうです。


現在の下水道管(中規模サイズ)

さて、ようやく地上に戻ってきました。
地上にもいくつか展示物がありました。

まずは、直径2メートルの下水管です。
これが現在最新式の下水管で、溝が掘られていたり、コンクリートの厚さが薄めになっていることで、掘る体積やコンクリートの量を節約しているのだそうです。
ちなみに中に入ってみると、土台部分があったりするので、大人一人がちゃんと立つのはちょっと厳しいかな、という高さでした。


明治・大正期の下水道

最後に見たのは、明治・大正期の下水道管です。
こちらはマンホールから地下に降りる部分を切り取って残しているモノになりますが、全面レンガで覆っていて、美術的にも美しいものになっています。
実際に浅草や上野の一部では、まだこの時代に掘られた下水管が現役で使われているのだとか…。

ちなみに当時は開削工法で下水道を掘っていたそうで、それを聞いて即座に「銀座線と同じですね」と答えてしまったおいら。
なんでも鉄道に結びつけてしまうのは危険な感じがします。

約30分程度の見学でしたが、思っていた以上に楽しいものでした。
機会があったらぜひ一度見学をしてみて下さい~。

※蔵前水の館
http://www.gesui.metro.tokyo.jp/odekake/s_kuramae.htm
住所:東京都台東区蔵前2-1-8
TEL:03-5820-4345
scale:25000 35/41/55.784,139/47/43.568


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