茂市駅を出発して、電車は岩泉線に入ってゆきました。
車内は鉄道ファンとおぼしき人と、地元の人が約半々ぐらい。
なんというかものすごい光景です。


だんだん霧が掛かってきた。

これから向かう予定の押角駅はJR線内有数の秘境駅としても有名なところです。
電車は上下線ともに1日3本、もしも今押角駅を降りたとしたら、次の茂市行きの電車が来るまで約2時間、岩泉行きの電車だと約3時間待つ必要があります。
そんな押角駅なので雨は降って欲しくない、せめて晴れていてほしいと思っていたのですが、押角駅に向かうにつれどんどん曇ってゆきます。

唖然ああ、山の天気はあてにならないか…

本日の岩手県の天気は晴れのち曇。
しかし山間部ではそれは適用されないようです。


岩手刈屋駅。

岩泉線に入って最初の駅、岩手刈屋駅。
味のある木造駅舎が特徴です。

岩泉線に入ったけれども特に携帯電話の電波が圏外になることもなく、今のところ普通通り使えています。
しかし、天候はどんどん悪化し、ついに大粒の雨が降り出してきました。

唖然これは押角駅は諦めるか…

秘境駅を見れるだけでも儲け物と思いたい…
完全に押角駅に降りるのは諦めて、車窓を眺めていました。

中里駅を過ぎると、トンネルが多い山岳区間にさしかかります。
そして同時に鉄道沿線にちらほらと見えていた集落も完全に見えなくなり、携帯電話も圏外に…
ここからが本当の「秘境」なんですね。

いくつものトンネルを抜け、ついに押角駅に到着しました。


押角駅駅名標。

岩泉線押角駅。
両側が木々に覆われているからでしょうか、写真などで見るよりも全然狭い印象を受けます。
到着したときは大粒の雨は降っていませんでしたが霧雨が降っている微妙なコンディションでした。
やはり「秘境駅」の中ではトップクラスの知名度がある駅だからでしょうか。
おいらだけでなく、4~5人ぐらいの鉄道ファンがこの駅の駅名標の写真を撮りまくっています。
そしてドアが開いた後、ちょっとだけホームを踏んで戻るのが今日は精一杯でした。

唖然もし晴れていたら降りたいと思っていた人がおいら以外にもいたんじゃ…

なんだかそう思わせるような熱気が車内にはありました。


押角駅。

結局、誰も押角駅で下車しないまま電車は走って行きました。
長大な押角トンネルを抜けると電車は岩泉町に入ります。
岩泉町に入ると再び集落が見え始め、そして携帯電話の電波も繋がるようになってきました。

唖然本当に押角駅周辺が秘境なんだなぁ…

なんだかトンネルを抜けて別世界に出てしまったのでしょうか。
そう思わせるぐらいの差があります。


岩泉線はしっかりと地元の足になってる。

押角駅の隣、岩手大川駅は岩泉線で最も利用客が多い駅なのだそうで、ここで下車する人が多かったです。
電車の到着と合わせて町営バスやタクシーも停まり、少ない岩泉線の本数でも利用客にも便利に使えるよう配慮されているようです。

唖然岩泉線は地元の足なんだな…

JRからの再三の廃止要請にも断固抵抗するのはわかる気がします。

岩手大川駅を過ぎると、岩泉町の中を走って行きます。
そして終点の岩泉駅に到着しました。

◆岩手県の鉄道を存分に味わう旅
岩手県の鉄道を存分に味わう旅【目次】



※ 当サイトの各種サービスをその利用規約等で定める範囲内でご利用いただく場合や、著作権者の許諾なく著作物を利用することが法的に認められる場合を除き、無断で複製、公衆送信、翻案、配布等の利用をすることはできません。また、利用が認められる場合でも、著作者の意に反した変更、削除はできません。記事を要約して利用することも、原則として著作権者の許諾が必要です。
※ 当サイトの情報は執筆当時の情報を元にしているため、現在の内容とは異なる場合があります。