予定よりも早く谷川岳ロープウェーからバスに乗って、ゆびそ温泉で一旦下車します。
時間があるのでせっかくだから湯檜曽温泉も堪能しよう、ということで予定を変更してみました。


ゆびそ温泉バス停。

ゆびそ温泉のバス停で降りると、かなり古いバス停を見て武田さんが反応しています。
何かと思っていたら、武田さんの今回の旅行の主目的が廃墟っぽい建物を撮影することなのだそうで。
ということは、水上温泉はかなり好みになるのではないでしょうか。

そんな話を聞いていると、おいらはある駅の存在を思い出したので早速ある場所に向かってみました。
ゆびそ温泉のバス停からちょっと歩いた道から山の方に入り、今では使われていない砂利道を進みます。
辺りには「熊出没注意」とあまり洒落にならない道を進んだ先に、目的の建物がありました。


元々湯檜曽駅があったところ。

階段の先に赤い扉がある謎の場所…。
これこそがかつて湯檜曽駅があったところです。

上越線がまだ単線で使われていた頃、湯檜曽駅のホームは山を登り、さらに長大な階段を登った先にホームがありました。
このあたりは高低差が激しく、この湯檜曽駅があったところから水上駅までの間は急な下り坂になっています。
そのため「湯檜曽ループ」と呼ばれる大きく円を描くようにトンネルが掘られていて、ゆるやかに坂を下ることで高さを調節しています。
もし伝わらない場合は、レインボーブリッジの手前で大きく1周している部分をイメージしていただければどんな感じになっているかイメージできるかと思います。

この湯檜曽駅は新清水トンネルが完成して上越線が複線化された際に廃止となり、現在の湯檜曽駅の場所に移転されました。
過去何度も湯檜曽を訪れていますが、ようやくこの駅舎に来ることができました。
もう使われることはないと思いますが、ここの内部が一般公開されることがあるのならぜひ来てみたいですね。


湯檜曽温泉足湯。

さて、廃駅になった方の湯檜曽駅を堪能したところで、近くにある湯檜曽温泉足湯に寄ってみました。
いつ来ても人がいないので貸し切り状態でお湯には入れるのは非常に嬉しいのですが、今回はなにやら様子が違います。
柱に貼られている張り紙を見てみると…

唖然「維持費が厳しくなってきたので募金をお願いします!」だと…

湯檜曽の町を通るバスや車は少なくないけれど、観光客はいつもまばら。
そのため隠れた温泉街としておいらは好きなのだけど、せっかくの足湯施設も利用者も少なければ募金も少ないと維持することも難しくなっているのかもしれません。
このままだと次に来たときにはこの足湯はなくなっているかもしれない…と思うと非常に寂しくなります。

せっかくなので温泉に入りたいなぁとも思ったけれど、その前に汗をかききっておこう、ということで先に湯檜曽駅を見ておくことにしました。


湯檜曽駅。

唖然なんということでしょう…

湯檜曽駅は昨年冬に旧駅舎が壊され、新駅舎が完成したとは聞いていたのですが、実際に解体されて更地になった旧湯檜曽駅を見ると残念に感じます。
そして隣には真新しい湯檜曽駅があります。
新しい湯檜曽駅はトイレも綺麗になっていました。


見事になくなってる…。

かつては重厚な駅舎だった湯檜曽駅。
今ではその土台だけを残して跡形もなくなっていました。
どうせ壊すなら土台もなくして更地にすればいいのに、「湯檜曽駅」というプレートがそのまま残っていると言葉も出てきません。
旧湯檜曽駅の土台がそのまま残った状態になっていると余計に寂寥感に駆られます。


地下ホーム通路に何かができた。

新しい湯檜曽駅の中に入ってみると、通路などは昔のままのようです。
しかし地下ホームの通路の途中になにやら謎の障害物が…
もしかしたらエレベーターが設置されるのでしょうか。
土合駅だと物理的に難しいですが、湯檜曽駅ならまだエレベーター設置も可能なので設置したのかもしれませんが、いまいち邪魔な場所に設置したような気がします。


湯檜曽駅地下ホーム。

湯檜曽駅の地下ホームは昔と変わらず、そして静かでした。
おいら達以外にも人がいたけれど、三脚を立てて電車を待っていたので、たぶん臨時のゆめぞら号でも撮影するのでしょう。
だとするともう少しでゆめぞら号が湯檜曽駅に到着するのでしょうか。


湯檜曽駅地上ホーム。

とりあえず湯檜曽駅の地上ホームも見てみました。
こちらも特に変わりはなく、ススキが生えて秋らしい雰囲気になっていました。
ホームには誰もおらず無人駅という風貌でしたが、何も変わっていないホームを見てほっと一息。


跡形もない…。

しかしホームから駅舎を眺めてみると、旧湯檜曽駅の跡がしっかりと見えてこれはなんともいえない気分になります。
特に旧駅舎の改札を抜けてから先の通路のタイルがそのまま残っていると…
わかる人にはわかる、残念な姿になっているけれど、おそらくこのままの姿で今後数十年放置され続けるのでしょうね…
そう思うと本当残念です。

湯檜曽駅を出ようとしたとき、ちょうどゆめぞら号が新清水トンネルに入って行きました。
ちゃんとダイヤをチェックしておけば見れたのに…土合駅に続いてまた見逃してしまいました。

◆秋の水上温泉旅行
秋の水上温泉旅行【目次】


◆関連日記
土合・湯檜曽・水上 ~トンネルと雪と温泉と~【湯檜曽駅前篇】
鉄道トンネル堪能の旅【湯檜曽駅篇】



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